2014年3月31日月曜日

腰痛・坐骨神経痛の漢方治療

だいぶ古い話になるが、自分のぎっくり腰を漢方で急速に改善することができた経験があって、それから漢方でたくさんの腰痛を治してきた。




湿布と鎮痛剤と筋弛緩剤と…っていう西洋医学の治療に比べたら遥かに漢方の治療は緻密ですごいものだと思うし、それなりに自信も持っていたのだった。

しかし、なかなか治せない患者さんが何人か出てきた。
熱心にやってくれているが、ちょっと良くなってもまた戻る。困ったな…と思って色々と試行錯誤していたところ、ある腰痛の症例をチェックしていた時にふと気がついたことがあった。「なんだろうこれ…」と思って色々と解析方法を考えていたところ、閃いて解析方法に工夫をしてみた(「え、なになに?解析っていったいどうやってんの!?」という方はこちらを

すると、非常に近接した勢いのところにある腰痛の陽証と陰証の二つの状態がハッキリと区別して捉えることができた。
ハッキリと別なものと感じられた二つの証に対応するそれぞれの薬方を調べ、それらを時間差服用にして治療してみたところ、わずか一週間の漢方治療でグッと痛みが減ったとの報告を受けた。経過をチェックしてみるとかなり良い。

すぐに、他の改善の遅い患者さんで同じ方法で解析をしてみた。やはり、近接した陽証と陰証の二つがあった。2つの治療点に分解しなおし、時間差服用の治療に変更したところ、短期間に坐骨神経痛の状態が明らかにやわらいだと教えていただいた。

愁訴部を大きくみるのも大事だが、腰椎の何番に(L1〜L5)どのくらいの勢いで陽証がある、どのくらいの勢いで陰証があると細かく絞っていくと小さな見落としがなくなる。問診から症状のメインが陰証だろうとわかっていても、浅い陽証があればそれらを兼用治療にしないと経気の流れは正されず、改善しないところが出てくる。症状だけではやはりわからない。

※例えば慢性化した坐骨神経痛を伴う腰痛などは修復機能に関係する陰証がメインであり、急性症状はまだ浅く陽証がメインとなる。

もっともっと高い確率で治せるようになりたい。
自分の能力を過信せず、伸びしろを感じながらますます漢方の力の良いところを感じていただけたら嬉しいなと思っている。

からさわ薬局はこれから腰痛にもっと強くなるのである。