2012年11月22日木曜日

カレンダーいただきました。

気がつけばもう11月も終わりますね、あっという間に師走です。

同じ場所で長く薬局を構えているので、年末になるとたくさんのカレンダーを頂戴します。そんなに壁がないので貼りきれませんが、不景気と言われている昨今でもありがたいですね。

さて、今日はとても素敵なカレンダーを頂戴しました。


びっくりですね!

晨慶庵(しんきょうあん)書道教室の加藤掌心先生がふらりと薬局に現れて、プレゼントしてくださいました。

もちろん、特別な一点物です。

「漢方」の文字と、来年の干支であるヘビの絵が描かれています。

素晴らしいですね、うれしくて仕方がない。
加藤先生、ありがとうございました。




2012年9月25日火曜日

四十肩。

すっかりご無沙汰のブログ。
相変わらず自転車に乗っていますが、このところはお天気の具合をみながらなので乗れない日もあり…乗れないとモヤモヤするものです。
それでも、8月の326kmを超えて、9月はすでに393km走りました。残る日数で400kmは間違いなく超えそうです。


当別周りで50km走りました。
バイクタイム2時間11分。

そして、四十肩になりました。
仕事をしていると左の肩が痛くて…

昨年もその兆候がありましたが、さっさと漢方で治ったのであまくみていたら今年再発しました。漢方薬を検討して(自分で自分をみて)せっせと真面目に毎日煎じて飲みました。

もう、だいぶいいです。ほとんど痛みません。
ある角度で腕を上げているとちょっとしんどくなりますが、もう8割くらい治ったかなと思いますが、再発しないようにしっかり飲みます。

煎じ薬いいなあと思いますが、私のように職場で煎じられるのは実に幸せなこと。
家で家族に匂いなどで迷惑をかけないように気を使って煎じている患者さんは大変だなと思いつつ、煎じ薬の効果の良さもあらためて実感しました。


休日前にはまとめて煎じてこうして持ち帰ります。


また話は変わって、FM82.5 NorthWaveの「チアラジ!」も気がつけば6回目の出演が済んで、半年もやったのですねー…
先日の放送後に「下期もよろしくお願いします!」と言われましたので、まだ続きますよ!だいたい、毎月最後の月曜日の14:25から出演しています。

色々と考えることが多く、公務も多く…ますます忙しい時期になりますが、早く四十肩をすっかり治してベストなパフォーマンスをと思っています!

2012年7月19日木曜日

全部が「体質」からくるわけじゃないよね

今年の北大薬学部での講義スライドはこんな感じ。


そういえば薬学部での講義も無事に?終わってホッと一息。
連休中は一緒に勉強している仲間たちの北海道旅行に同行しました。それらの話はまた今度。

さて、患者さんと話をしていて思ったこと。

漢方は体質医学と言われることがあります。

しかし、病気には体質からくるものもあれば、人体の構造からくるものもあります。

例えば、腰痛や坐骨神経痛には、冷えや血流障害などに起因する体質的なものもある一方で、体質と関係なく進行状態に応じてどんな人でも同じような薬が適するものもあります。

骨粗鬆性の膝関節症などは、ほとんど体質とは関係なく、どんな人でも進行状態に応じて同じような薬が適するものです。

東洋医学的な判断に基づかない漢方を「病名漢方」と揶揄することがありますが、病名漢方でも効く病気があります。

それは、「体質」という個性によるものではなく、同じ人間としての「構造」による病気もあるということだと思います。

そして、体質によるものと構造によるものでは養生の仕方がまったく違うと思います。

わかったような、わからないような話ですが、全部が体質と考えている一部の専門家に気がついて欲しいなと思ったので。


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2012年7月12日木曜日

甲状腺機能と漢方

甲状腺機能の亢進症・低下症も漢方で諸症状が改善されるケースは珍しくありません。

なかなか最初は苦労しましたが、何例も調べているうちにやはり特徴的なものがあるなと感じています。

大学生の頃に買った「漢方診療医典」の目次にも
甲状腺の病気が書かれています。


健康診断などで甲状腺機能に何か問題がみつかったら、やはり専門医にかかるのが大事だと思います。
専門医のご講演を聴く機会があったのですが、服用のリスクも考え、必要最小限のお薬を上手に使われていることがわかります。

あるご相談にこられた患者さんは、甲状腺機能低下症で近くの内科医からお薬を長くもらっていました。

それほど激しくはありませんでしたが、体調不良でご相談にこられたときにそのお薬のことを聞き、これは漢方で対応するよりも一度専門医を受診して本当にそのお薬が必要か相談してみてはどうかとお勧めしました。

受診してみた結果、服用の必要はないですよとのこと。
休薬して経過をみていくと、体調は回復してきている様子でした。この例では、それほど必要のないお薬を服用し続けることで、かえってバランスがとれなくて体調が不安定になった結果だと思われます。

漢方の出番はどこかと言えば、検査結果から専門医の判断でお薬を服用する必要がないと言われたが、それなりに自覚症状があって日常生活に影響がある場合だと思います。まだまだ認知されていないので、それほど多くの数ではありませんが、症状が改善された患者さんを何例も経験しています。

ある50代の女性は、数年前に甲状腺機能低下(橋本病)の診断を受けましたが、専門医の判断として今すぐに治療する必要はないとのことで定期受診のみでした。
疲れやすく、眠くなり、動悸や息切れがあります。喉の違和感と軽い腫れぼったさを感じていられました。

症状と現在までに経験した内容からある漢方薬と利水作用を助ける補助剤をおすすめしたところ、1ヶ月ほどで動悸はほとんどなくなり、それから徐々に喉の違和感もなくなってきました。3ヶ月ほどしてほとんどの症状がなくなりました。

西洋医学的に専門医の判断で治療する必要はない境界型の場合には漢方が力になれることはまだまだあり、もっと研究をして行きたいと思っています。


2012年5月21日月曜日

ばね指(弾発指)の漢方治療


女性の患者さんから、ばね指の相談を受けました。

左手の親指を曲げて戻すときにスムーズに戻らない。みると曲げて戻すときにひっかかる感じが強く、カクンとなる。曲げ伸ばしをすると痛みもある。
西洋医学的には対症療法としてステロイド注射、いずれ手術といわれる。(ステロイド注射は発症後に一度受けたとのこと)


漢方医学的には末端の血流改善に働く温性の漢方薬で改善した事例が学術誌や先輩たちから報告されている。問診をするとやはりかなりの末端冷え性。一般的にばね指に多いのはゴルフやテニスなどのスポーツで酷使したものが多いらしいが、そういった原因がみあたらないため、体質的なものと思われる。

舌診は微白苔、潤で太陰病位の様相。初発部位は左親指で、現在も左親指にばね指の症状があるが、右も若干腫れぼったい感じがあったという。

まず現在症状のある左親指に絞って糸練功で確認していくと学術誌で報告のある末端冷え性に対する漢方薬が適する反応が確認できる。報告通りの漢方薬をひとつ提案して経過を見ていただくことにしました。

約1ヶ月後、ばね指の症状はまだあるが痛みは減少。患部が柔らかくなった感じがする。
1ヶ月半で腫れた感じと痛みはかなり減少した。手を広げて指を伸ばすとまだ若干痛むが、概ね良好な様子。

そのまま同じ漢方薬を続けたところ、2ヶ月半ほどで左親指のばね指の症状は消失した。


「手術をしなくて済んだので良かったです」と喜ばれたのだが、なんと不思議なというか残念というか、今度は右の親指にばね指症状が出て来たという。

左親指はまったく症状がなくなり、スムーズに曲げ伸ばし出来るようになったところから考えると、漢方的な方向性は間違っていないと考えられる。より完成度を高める方法を探す。患部と全身状態を参考に、基本の漢方薬だけでは消えない部分は水滞がやや強いためではないかと思われた。

基本の漢方薬と同じく温散に働き、水を動かす補助剤を選んで提案し、基本の漢方薬に併用して経過を見てもらった。

3週間後、右はまだひっかかるが以前より曲げた後に戻しやすくなった。左親指に再発はない。同様にして引き続き経過をみている。

スポーツなどで指を酷使したばね指に対しても同じ漢方薬で効果がみられた例があるが、これらの場合、体質的に末端冷え性とは考えにくい事例もあり、おそらく負荷がかかった結果として部分的にこの漢方の適応する証を呈するのかと思う。例えば、腰痛・坐骨神経痛は人間の構造+加齢の問題で、誰しも起こりうるものであり、体質がまったく違う人であっても漢方的に同じ薬で良くなる人がいるように。


この患者さんの場合は、体質的な末端冷え性のひとつがばね指に現れたと考えると体質改善がしっかりされるまで油断できないのではないかと考えています。

他にも同様の患者さんからの相談があれば、もっと考察ができるのですけど…



キカイダーは病気になるのかな




2012年5月18日金曜日

女性に多い体調不良と漢方

3月後半あたりから急激にご相談の予約が混んで忙しくなり、更に業界の仕事や原稿書きや大学同窓会のイベントなどが重なり、まったくの時間不足でブログ更新も出来ませんでしたが、連休前後の混雑も一息ついたところでようやく再開です。




最近の漢方相談の事例から、女性の体調不良に関係するものをいくつか拾ってみました。


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  • 更年期の発汗症状
40代後半の女性、季節の変わり目に体調不良があり、上半身の熱感と頭部の汗が強いとのこと。漢方の専門医から複数の漢方薬を処方されているがなかなか改善する兆しがなく、ご相談に来られた。

舌診では微白苔で潤、望診して皮膚のキメの状態から更年期の発汗に用いる漢方の中で最も虚証体質に用いる漢方薬を候補に。服用して3~4日で頭痛などの不快症状が軽減され、1ヶ月ほどで頭部の発汗はかなり軽減された。

しかし、その後も冷水を飲むと発汗するなど、落ち着いたりまた少し症状があったりを繰り返す。体質改善に時間がかかるタイプなのだが、なんとか1日も早く突破したいと調べていくと水の働きに何かありそう。基本の漢方薬に加えて水に作用する補助剤を検討。

温性で気と水に発散性のある補助剤を組み合わせたところ著効。早期に症状が消失したので、再発しないようにもう少し頑張れば乗り切れるのではないかと経過をみている。

  • 月経時の頭痛
月経時期におこる不調の中で、頭痛の相談がたまにある。

一例は30代の女性、月経近くになると吐き気を伴う頭痛がある。10代後半から出ているらしい。手足の冷えと吐き気から、陰性の頭痛に用いる漢方を候補に選ぶ。最初の月経時には頭痛があったが、その次から頭痛が軽くなった。冷たいもの、生野菜・海藻類を控えてもらい、漢方を続けると3ヶ月ほどで全く症状が出なくなり漢方治療を終えた。

もう一例は30代の女性、数年前から月経前に耳から頭にかけての痛み、だるさ、吐き気がある。頭痛の専門医の治療を受けたが改善されないとのことで相談に。
望診、問診内容から陰性の頭痛のタイプとみられ、候補の漢方を試したが…2回目に検討したときに、やや陽証が混ざっていることに気がつく。候補の薬方を考え直し、やや陽証で婦人に使う独特の気剤が多い漢方薬に切り替えてみたところ、次の月経から頭痛は半分くらいに軽くなった。継続治療して1/10くらいになったという。再発防止までしっかり治したいと思っている。

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とまあ、こんな調子ですが、工夫すればまだまだ出来ることがある!と信じて研究しています。

来月から大学の講義もあります。ますます限られた時間で色々なことに挑戦していかなくてはなりませんが、挑戦していくこと自体が何より楽しいと思っています。


女性の体調不良にもわりと強い、からさわ薬局の漢方相談は完全予約制です。


〈関連記事〉
女性に多い手荒れと漢方薬
冷え症と漢方薬


2012年4月20日金曜日

北海道の楽しい100人Part2




4月13日の夜、以前に紹介した「北海道の楽しい100人」(※前は北海道を楽しくする100人だったようですが、北海道の100人とか北海道の楽しい100人とかなんともタイトルがあいまいなイベントであります)の第2回目に参加してきました。


来場者は前回の100名超をまた上回って、160名くらいだったのかしら、200名収容可能な会場がほぼ満杯でした。


トークゲストは今回も4名。


一般社団法人LOCALの代表理事、澤田周さん。
丸吉日新堂印刷の代表取締役社長、阿部晋也さん。
菓子工房フラノデリスのオーナーパティシエ、藤田美知男さん。
北海道大学教授で宇宙環境システム工学研究室、永田晴紀さん。


運営者の渡辺さんが言うように、技術者コミュニティ、エコ名刺、洋菓子、宇宙開発ってスゴイ振り幅の広いトークが次々と展開されたのですが、これらのすべてがこの北海道で身の回りにあることなんだと思うとスゴイよね。


澤田さんが話してくれた企業を跨いだ技術者コミュニティのあり方は、まさに医学とかと同じ発想だなと思いましたし、阿部さんのエコ名刺は印刷業の中では「ついで商売」であった名刺に「エコ」という付加価値をつけただけで全国にお客さんができるようになったり多くの人が助かったりでワオー!だったし、藤田さんの開発、製造、販売、それぞれの立場になりきる話は考えさせられたし、永田先生の脱法?!ロケットトークは私的には理系男子の純粋さが胸にキュンキュンくるいい話でした。(強引なまとめで失礼!)


次回は6月13日と伺っています。
またワクワクするトークを楽しみにしています!


2012/05/19
主催側の一人、渡辺さんのBlogの記事もご覧下さいね。


社団法人LOCALさんの記事もどうぞ。



2012年4月19日木曜日

漢方とハサミは使いよう?

以前ほど業界の会合に顔を出してはいないのですけど、たまに勉強会などでお会いした同業者の方から良い製品があるよとご紹介を受けることがあります。

ご紹介いただけるのは大変ありがたいです。
また、メーカーさんも新製品をせっせとご紹介下さいます。
とてもありがたいです。

ですが、ここしばらくはほとんど新しい製品を採用していません。

漢方製剤は必要なものはほとんど取り揃えています。大概のものはあります。
それに加えて、自分が習得してきた漢方を実践するために必要最少限の補助剤は用意しています。

今の師匠と出会ったばかりの頃に言われたことがあります。

例えばある疾患についてひと通り調べたら、実践するにあたって、いかに少ない漢方処方でやるか工夫することで腕が上がる、と。

和田東郭の医訓に
「方を用ゆること簡なる者は、その術、日に精し。
 方を用ゆること繁なる者は、その術、日に粗し。」
とありますが、このことを教えて下さったのだと思います。



漢方の面白いところは、少ない種類の材料でも、それらを様々なものさしで考えて組み合わせることで、縦横無尽に応用することができるところです。
漢方とハサミは使いようです。

ということで、今ある材料を縦横無尽に使いこなす自信が出来たら、どうしても足りないと思うものをひとつ足す、そんな感じで幅を広げていきたいと思います。

漢方エキス製剤は、同じ処方でもメーカーの原料や製法で効き方が違うと思います。
これについては仲間からも情報収集しつつ、今でもUpdateを繰り返しています。

新製品や優れた製品をご紹介いただけるのは大変ありがたく思っていますし、これからもどうぞ遠慮なくご紹介下さい。

それから今日はお知らせがひとつ。
82.5 FM NorthWaveで月曜日〜木曜日の12時〜15時に放送している「チアラジ!」(DJ奥かおるさん)に不定期で出演します。

漢方の知恵を使って日々を元気に過ごすためのお話が出来ればと思っています。
初回出演は4月23日(月曜日)の放送からです。
どうぞよろしくお願いします。

2012年4月9日月曜日

「慎重に」という罠

レッドブル、超まずい…




私は漢方の学者じゃなくて、実践して活かすことが仕事。


漢方の勉強は面白い。面白いだけに、うっかりすると実践で役に立たない理屈や理論をほじくり回すことも多い。
20代〜30代のはじめの頃は、けっこう理屈を持ちだしてああだこうだと言ってたが、師匠の教えでそれは意味がないと悟り、漢方の理論で言い争うこともやめた。
知識は多いほうが良いが、やっぱり学者じゃないのだ。


漢方の流派は色々あるが、「なんでもいいさ。治せばいいんじゃないの?」と思うようにもなった。


師匠からは、もちろん実践的理論を中心に習ってきたが、それ以上に、心構えに関する教えもたくさんいただいてきた。


私が漢方の古典の中でも、名医の医訓を調べて取り上げるのはそういった影響が強い。


たまにノートを見返しては、臨床理論にまぎれて師匠の言葉が書かれている。


「真剣にやるのはいいけど、慎重にやろうとするとミスする」


最近読み返してイテテ…と思ったのはこれだ。


慎重にミスをしないようにとやると、心はあちこちに行ってしまうが、真剣に今そこの患者さんの愁訴や経気の状態に集中したほうがはるかにミスが少ない。


慎重に時間をかけて出した答えが良いとは限らず、真剣に集中すれば、ほんの短時間で出した答えでも的を射たものであることが多い。


わからなくて悩むこともあるし、患者さんに時間をいただいて検討し直すこともあるが、それは慎重にやりすぎているのかもしれない。得られた情報から絞れるだけ絞ったらあとは集中して真剣にエイヤー!だな。


ということで、最近は新規のご相談がまた増えてきて忙しいですが、まだ今週も漢方相談の予約には若干の余裕があります。伝統漢方専門からさわ薬局の漢方相談、ご予約はお早めにどうぞ。

2012年3月9日金曜日

アレルギー性鼻炎と漢方

スギ花粉症がない北海道でも、近年はシラカバ花粉症がメジャーな言葉になってきました。


私自身も大学生くらいまではけっこうひどい鼻炎もちで、しょっちゅう鼻水たらたら…試験のときに困った記憶があります。


しかし、今は鼻炎で困ることはありません。
それでも、年に何度かクシャミを連発することがありますが、だいたい漢方を飲んで数十分から数時間でいつも通りに過ごしています。


私の発作性にくる鼻炎は、ぞぞぞっと寒気が走ってクシャミがつづくことが多く、圧倒的に麻黄附子細辛湯証が多いのですが、実際には麻黄附子細辛湯は飲まずに止めています。


表裏の寒証で、辛温散になるように麻黄附子細辛湯と同じ働きになるように、もっと身体に優しいもので代用してピタッと止めています。これが漢方の面白いところです。


慢性のアレルギー性鼻炎では、私の鼻炎のように簡単にはいきません。こつこつ飲んで対策することが大事です。


先日、慢性のアレルギー性鼻炎でご相談にこられた女性の患者さん。鼻水、鼻づまり、夜は息苦しい…ティシュペーパーはすぐになくなる…


最初にご提案したものを2週間を服用して、経過を伺うと、まだぐずぐずするものの、鼻水は減少。何より、横で寝ているご主人が寝息が静かになったことに驚いたそうです。
引き続き漢方で対策中です。


漢方で鼻炎の対策をしたときに何がいいって「眠くならない」ことと、「喉が渇かない」ことです。市販の鼻炎薬は抗ヒスタミン薬が入っているので眠くなるし、分泌を止めるので喉が渇きます。喉が渇いて水分をとると、また悪化してきます。鼻炎は水があふれている病気だから、水分たくさんとったら…鼻水だらだらです。


冷たいビールは鼻炎にはもってのほか。美味しいけど!


調べてみると、今年は幸いにもシラカバ花粉の飛散は少ないのではないかと予想されています。


とはいえ、備えあれば憂いなし。普段から鼻炎もちの方や、季節性でも早めの対策を希望する方はどうぞご相談くださいね。


それと併せて、漢方の働きと反対になるような食べ物を控えておく養生も必要です。これはご相談の際にお話ししております。


鼻がすっきりすると、本当に快適。
勉強するにも、仕事をするにも、クリアな状態で出来るとぜんぜん結果が違いますからね。


からさわ薬局のアレルギー性鼻炎漢方相談は完全予約制です。(鼻炎に限らず漢方相談は完全予約制です!)





2012年3月8日木曜日

No Mutton, No Life.



昨夜、友人が道外からのお客様を連れてジンギスカンを食べに行くというので誘われてご一緒しました。


場所はススキノの東の端にある古いビル、社交会館の2階「メリーシープ」さん。
友人のおすすめで、私は初めてでした。


うちの家内はジンギスカンの本場に近い所で育ったため、彼女曰く「一生分食べた」らしい。そんなわけで家内はジンギスカンにはまったく興味なし。
それで私も20代の頃はほとんど食べる機会がなかったのですが、私の漢方の師匠を九州から北海道にお招きして講義をしていただいていた当時、「唐沢くん、ジンギスカンが食べたい!」という要望があって、一緒に勉強していた皆で食べに行ったのが実に久しぶりのジンギスカンでした。


それから「ああ、ジンギスカンやっぱり美味いや!」ということで、機会あれば食べております。


円山動物園の昔からある食堂(入口から左の道沿いにあるあそこね)のジンギスカン定食も好きだし、まつじん(松尾ジンギスカン)も好きだし、…まあ、あまりこだわりがないです。


ですが、昨日のメリーシープさんのマトン(Mutton)はとても美味しかった!


バイク好きで明るい店のご主人と独特のお店の雰囲気の中でいただいた人気の「マトン」はやみつきになりそう。


さて、漢方の古典に羊肉の入った処方がいくつかあります。
昨夜もビール片手にそんな話をしたかもしれませんが、なんでも無理やり漢方の話になります(笑)


羊肉の気味を本草綱目から引くと「苦く甘し、大熱にして毒なし」とあります。
大熱(たいねつ)は、すごく身体があたたまるってことですね。


虚寒の症状に対していくつかの生薬と組み合わせて「湯」を作り、つまり羊肉に薬味を足してスープを作り、それを寒疝(かんせん:寒冷によっておこる腹痛)などに用いていたことが古典に書かれています。


間違いなく、寒い気候にあった食べ物ですよね。


理屈はともかく、みんなで食べるジンギスカンは北海道人のソウル・フードであり、たまには食べようよ!ということでした。

2012年3月7日水曜日

札幌薬剤師会の薬物乱用防止キャンペーン

今年もAir-G'(FM北海道)と(社)札幌薬剤師会の共同で、3月11日(日曜日)にサッポロファクトリーアトリウムにて薬物乱用防止キャンペーンを開催いたします。


毎年好評の子ども調剤体験コーナー(お菓子を薬にみたてて本物の調剤機器で分包します)も開催。


お子さんの可愛い白衣姿を写真におさめる絶好のチャンスですのでぜひご来場下さいね。


私もどこかでお手伝いしております。


Air-G'のイベント情報

2012年3月5日月曜日

あら、iPhoneアプリがあるのね

GoogleのBloggerには、専用のiPhoneアプリがあるのですね。

ということで、iPhoneアプリで投稿してみる実験。

あらら、日本語キーボード出すとちょっと編集画面が隠れるじゃないですか…

早くなおしてー!

女性に多い手あれと漢方薬

からさわ薬局からみた冬の道庁赤レンガ

女性に多い手あれ。

からさわ薬局の漢方相談は圧倒的に女性の患者さんが多いため、「手あれ」もご相談の中で増えて来ました。

ハンドクリームを工夫するとか、皮膚科を受診して改善する程度の手あれでは、わざわざ漢方のご相談にいらっしゃいませんので(もちろん、軽度の方もご相談に来てくれてもかまいません!)、慢性化していて難しい手あれ・手湿疹のご相談が集中します。

手あれは一般的に、冬場に悪化しやすく、進行性指掌角皮症とか主婦湿疹とかの病名を病院で言われてこられます(どちらも手湿疹)。

アトピー性皮膚炎の患者さんにも手湿疹だけしつこい場合もあります。手あれの患者さんでアトピー性皮膚炎の既往症や素因を持っている方も結構みられます。

また、同様に手あれであっても、異汗性湿疹といって手のひらに小さな水泡が出来て、そこが破けて手あれになっているご相談もいらっしゃいました。

いくつかの事例をご紹介します。
特に難しかった例です。

・アトピー性皮膚炎に伴う手湿疹

40代の女性、20代前半からアトピー性皮膚炎で通院しており、相談にみえたときは手あれとひじ・ひざ裏の発汗部位と首周りに湿疹。病歴が長いため、ちょっと時間がかかりそうだと思いました。

当初は夏場であったため、発汗部位の湿疹が痒みもあり、こちらから対応しました。アレルギーや解毒にはたらくと言われる日本で生まれた漢方処方を基本に対応したところ、徐々に発汗部位の湿疹はみられなくなりました。

翌年には身体の湿疹は見られなくなったものの、手あれがなかなか治まらず、寒くなってくるとだんだん手あれは強く…。他の部位がほぼ改善していたので、対象を手あれ一本に絞りました。

女性特有の血の流れに作用する漢方薬をベースに、その時の状況をよく考えながら、必要と思われるものを補助していきました。

最終的には、その漢方薬をベースに、虚実をピッタリ合わせるための補助剤と皮膚新生を促す生薬製剤を補助して行くことで、相談にこられるたびに手あれが目立たなくなっていきました。病歴が長かったため、約3年かかりましたが、手あれもアトピー性皮膚炎も現在は気にすることなく過ごされています。

・異汗性湿疹からの手あれ

40代の女性、異汗性湿疹との診断で有名皮膚科を受診していたが、なかなか改善がみられない。手掌にかゆみを伴う水疱と部分的な発赤があり、水泡が破けて手あれを起こしていました。

手あれによく使われる漢方薬で経過をみたがなかなか効果がみられない。

水泡部分に、表の湿に対する薬方の適する反応をみつけ、方針を変えてそこをメインの治療点と考えて薬方を組み直しました。

これがうまく効いてきたようで、手掌の発赤と水疱はかなり減ってきました。
その後、指先のひび割れと小さいプツプツを部分的に繰り返していました。大きな水疱やかゆみはさほど出ないようでしたが、一進一退の感じでした。

基本の薬方は変えずに、皮膚の新生を促す補助を検討して補助してみたところ、その後から改善速度が早くなり、部分的な一進一退はみられなくなってきた。

親指の先がひび割れ、そこがしつこかったのですが、最終的にはそれもなくなりほぼ治療終了ではないかと思われます。


・手を中心に発赤を繰り返したアトピー性皮膚炎

20代の女性。もともとアトピー性皮膚炎で、5年くらい前にアトピー性白内障で手術をした経験があるとのことでした。両手からひじまで発赤とガサガサした手あれがあり、指先には絆創膏。

当初、アレルギー体質に使用する漢方が適するように思われ、そこから初めてみたのですが、一進一退です。

1ヶ月ほどして、首周りにはところどころ発赤があるようですが、顔にはまったく症状がみられないことに着目し、紫外線との関係があるかも…と思いました。女性は日常はファンデーションを塗ることで、顔は紫外線から保護されていますので。

紫外線と関係するのはいわゆる日光性皮膚炎で、漢方的には皮膚の再生・防護力を高めるものと血の熱を取るものが組み合わさるケースを多く経験しており(それ自体もアトピー性皮膚炎に用いることもしばしばありますし)、そちらの方向に絞ってみました。
それがどうやらうまく行ったようで、約2週間ごとの来局でも、みるみる良くなる感じでした。

しばらくして、激しい発赤がほぼみられなくなったものの、痒みがまだ時々でて掻いたあとが炎症を起こすようだったので、かゆみに対する漢方をわずかに補助しました。

かかなくなると一層改善が見た目にはっきりとわかりました。

現在はパッと見てもアトピー性皮膚炎だった形跡もわからないくらいになり、再発防止を目指しています。
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どれも皮膚科さんでも改善がみられなかった難しい例で、私も大変苦労しました。
しかし、なんとか漢方で乗り越えることができました。

何がいちばん良かったかというと、患者さんが信じて続けれくれたことに尽きます。
私もいきなり「はい、これで最後まで治るよー」なんてことは解りません。

信頼があってこそ。

うまく行かない時の次の手は常々考えています。一度目で改善せずとも、次の機会を与えてくださった患者さんに感謝して、腕を磨いていきたいと思います。

からさわ薬局の漢方相談は完全予約制です。

1日にご相談を受けられる数には限りがございますので、できるだけお早めにご予約下さい。土曜日は混み合っていることが多く、新規のご相談の枠を取りにくいことがありますが、平日の日中は比較的余裕があります。

お仕事をされている方は、遅めの時間でも可能な限り対応していますので、ご相談くださいね。



〈関連記事〉
女性に多い体調不良と漢方薬
冷え症と漢方薬

2012年3月2日金曜日

Oh!ナポリタン

からさわ薬局の近くで名物といえば、純喫茶オリンピアさんの「ナポリタン」は外せない。



何と言っても、このボリューム、この食べごたえ。
もう、高校生じゃないんだからこんなに食べられないよ!と思っても、たまに友達がたずねてくると「ナポリタンいく〜?」と…

毎回、満腹に撃沈するのだけど実にこれが美味いのであります。

アルデンテとかパスタとかいうお洒落な言葉とは無関係に、昭和の薫り漂う「純喫茶」でいただく、コッテリで、かすかに焦げ目のついたナポリタン。

ぜひ、お近くにお寄りの際はお試し下さい。


後ろにみえるのは高校の同期生たち。

もちろん、熱い珈琲を食後にセットで頼むのがお約束です。

苦しくなったら帰りに平胃散を買いに来てね。

2012年3月1日木曜日

冷え症と漢方薬


婦人向け健康雑誌などで漢方薬が取り上げられるときの定番といえば冷え症。

しかし、冷え症はありふれているだけに、実にバラエティであり、漢方屋泣かせの症状のひとつかもしれません。

札幌も、2月までの厳しい寒さが過ぎ、ホッとしたところですが冷え症の人にはまだまだつらい時期です。

私は寒い夜に地下鉄大通駅あたりを通ると「ひのでそば」に吸い込まれては月見そばに唐辛子かけてすすりたくなります。



さて、冷え症はバラエティで難しいよ…と、逃げてばかりもいられませんので、大まかに「こんなにあるよ!」というところを書いてみます。

まず、本当に冷えているもの。本当にというところがミソです。

漢方で「寒証(かんしょう)」と呼ばれるものですが、表寒(ひょうかん)と裏寒(りかん)があります。

・表寒
ゾクッとする悪寒です。体表面が冷えていますが、感覚的には上半身が中心です。背筋が寒い。深いか浅いかで言えば、体表面ですから浅いです。暖かい所にいるとなんともなくても、寒さにあたると症状が出るのも表寒タイプです。
風邪の初期にゾクゾクして、温かい葛根湯などを飲むとポカポカしてくるのも急性の表寒です。もちろん慢性のものもありますが、どちらかというと冷え症で相談に来る人ではなくて、他の症状(関節痛やらなんやら)で来られる方にみられます。

・裏寒
慢性的な冷え症で相談にこられる方にはこちらが多いです。表寒に比べて、下半身が中心になってくる傾向にあります。ひどくなると末端部の冷えが激しく、毎冬にしもやけになるという方もいらっしゃいます。

更に裏寒のタイプを原因別に分類してみると、

血虚タイプ(けっきょ:貧血タイプ)
→このタイプは熱を伝える血が不足して冷え症に。血を増やす薬味の漢方薬がメインになります。
   
新陳代謝不活溌タイプ
→このタイプは、食べたものを熱にする力の不足と考えられ、胃腸虚弱者に多く見られます。胃腸機能を高める漢方薬がメインになります。

水分停滞タイプ
→体内で水分が停滞、偏在し、その部分が冷えやすくなるタイプですが、例えば尿量が薄くて多いなどの症状を伴うことが多いようです。温性の薬味と水の流れを助ける(利水といいます)薬味の入った漢方がメインになります。


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さて、ここまでは本当に冷えているものでしたが、以下は熱もあるけど冷えもあるややこしいタイプです。ようするに、「熱を作る力はあるのに部分的に冷える」という冷え症です。

血流障害タイプ
いわゆる血行不良ですが、特に下腹部に血流障害を起こすことで、下半身に冷え、上部にのぼせなどが出るものが多く見られます。血流を改善する漢方がメインになります。


交感神経緊張タイプ
一見丈夫そうで冷え症にはみえないのに、手足が冷える人に時々いらっしゃいますが、交感神経の緊張が強く、いわゆる神経過敏傾向により、末梢血管が収縮し、手足の末端部分に冷えを起こします。舌をみると、内部には熱をもっているような状態が観察されます。当然、神経の緊張を抑えるような漢方薬がメインになります。

自律神経失調タイプ
体温の調節機能のトラブルです。ストレスが多い人や、心配症な人などにみられ、基礎体温表をつけている女性では高温期・低温期がはっきりせず、ギザギザになっています。このタイプは神経症状に用いる漢方薬全般が対象になり、簡単には判別できない場合が多いと思います。


これだけみても実にバラエティですよね。

「冷え症には漢方がいい!」のは間違いないと思いますが、だからといって適当な温性の漢方薬を飲めばよくなるものではないこと、その原因や体質を個別に考えながら、じっくりと取り組まなければならないということがお分かりいただければと思います。

私も、もっと研究しないとね…


からさわ薬局の漢方相談は完全予約制です。


2012年2月23日木曜日

北海道を楽しくする100人

昨晩、「北海道を楽しくする100人」というイベントに行って来ました。






仕掛人は私の高校の同期生で何かとお付き合いの多い恵和ビジネスの渡辺社長と小樽商科大学MBAの保田先生。


保田先生も年頃が近く、学生さんを交えた飲み会などに呼んでいただき(私はまったくお門違いですけど…)お付き合いをしていただいております。


そして、当日の司会とイベントを裏で切り盛りしていたのが、Re:(レコロン)の佐藤さん。僕をMacユーザーの道に引きずり込んだスゴ腕のマーケティング・エヴァンジェリストです。(いつもMacのTipsやら何やら、色々教えていただいております)


さて。


しばらく前に、渡辺社長から「TEDみたいなのを北海道でやりたいよねー」という話を聞いていました。


TEDってこれですけども、実業家、学者、アーティストなどその道のすごい人が「ほう!」と、思わずうなるような内容のトークをカッコよくみせてくれる、いわゆるライトニングトークのイベントです(リンク先はボランティアによる日本語字幕が付けられたサイトです)。


それをついに実現するという。


当初はお客さん30人くらいで…なんて言っていたこのイベントは、当日には申し込みが100人を超えるという人気ぶり。
ワクワクして会場に行くともうびっちり。
カフェのバリスタくんが僕の席をとっていてくれたので座れましたが、最後列。周辺にも知人多数。


今回(第1回)の登壇者は、5名でした。
若いイケメン経営者、アプリ開発者に続いて、尊敬する努力家のエスプランニング福西社長、そしてJTBを退職して北海道の魅力を伝えるために次のステップに飛び出すキンさんこと田中均さん。
飲んでは熱く語るキンさんのトークはシラフでも熱かった!


鷹の動画にじーん…


なかなか皆さん堂に入って、いい感じのトークです。


そして、最後に渡辺社長。


なぜかこっちまで緊張してしまいましたが、やってくれました。さすがです。やればできる子です。


今のインターネットで注目のKeywordである、So-Lo-Moの話に。


Social
Local
Mobile この3つの頭文字ですが、




彼はずばり日本語で、






身の回りで
身の回りで
身の回りだろ?


と喝破しましたよ。


水曜どうでしょうプロデューサーの四宮さんをもうならせたこのフレーズには参りました。(四宮さんにご挨拶できませんで失礼いたしました)


ということで、当日の模様はsapporo6hさんのUstreamのアーカイブで期間限定でみられるようですので、ぜひ今のうちに。


渡辺社長のプレゼンに登場した僕らの同級生、ブラサトルこと和田くんの動画は、こちらに。


満員で椅子に座れない人もいる、2時間ぶっ続けで休憩なし、それでもみんなワクワクしながら参加し、あっという間の2時間でした。


僕は2時間の講演とか90分の講義とかは経験あるのですが、15分のトークっていうのはまったく経験がありません。15分でしゃべる、印象付ける、それはすごい難しいことですよ。


登壇者が100人になるまで隔月開催するとのことです。
きっと回を重ねるごとに面白くなるのではないかなと期待しています!


次回は4月13日(金)ですよ。