6月7日の深夜に羽田国際空港を出発、タイ航空でバンコクへ。数時間の待ち時間でバンコクからネパールのカトマンズへ乗り継ぎ。横に寝てないのでグッタリ…
機内からみえたカトマンズの街はおもちゃ箱みたいでした。
到着日はカトマンズから1時間ほどの山間にあるリゾートホテルでゆっくり休みました。ちょうど雨季に入っていましたが、滞在中はたいした雨もふらずに済みました。
翌日から、再びカトマンズ市内へ。建物は基本レンガ造り。骨組みにレンガで壁を作っているだけのかなりシンプルな建物ばかり。
交通は信号機はあるものの、電力事情が悪くてほとんど作動していない状態。大きな交差点には警察官が立っているものの、まあなかなか滅茶苦茶で…クラクションの音がやみません。バイクがクラクションを鳴らしながら狭い隙間をぬってバスを追い抜こうとしてきますから見てて怖い。
閑静な住宅街(むき出しのレンガはなく、壁がしっかり塗られている建物が多かったのと、柵があったのでおそらく高級住宅街と思われる。道はデコボコだけど…)に、チベット医学のクリニックがありました。
迎えてくれたアムチ(院長)は40歳。チベットからエベレストの脇を歩いてネパールに亡命してきたという。亡命後にインドのチベット医学の学校に通い、4冊の経典を暗記している。その経典にチベット医学の病態生理観や治療理論や薬物などが書かれており、一字一句暗記させられるらしい。山から指定された薬草を採取してくる試験などもあるらしい。
併設された孤児院を支援している団体の日本人が通訳をしてくださいました。ありがとうございました。
事前に色々と準備してくれたお陰で大まかな基礎理論を学んだあとで、アムチに色々と質問をしながら脈診でどんな情報をみているのかをかなり具体的に聞くことが出来ました。
使用している生薬は漢方の生薬と共通のものも多いが、まったく見たこともないものもたくさんありました。カニの殻もありました。
チベット医学で使っている薬匙。分量はわりと大まかで、大と小だけ。
講義のあとに、チベットのビスケットとチャイでもてなしてくださいました。素朴な懐かしい味でカリッとしたドーナツのような…とても美味しかったです。
宗教観と完全に分離している漢方医学と比べると、より原始的で宗教的な要素はたくさん残っているのですが、脈診で得る情報の細かさは素晴らしく、将来的な研究材料として大変興味がわき、有意義な調査旅行となりました。
チベタン・チルドレンズ・プロジェクトの皆さんにも大変お世話になりました。本当に貴重な機会をありがとうございました!
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