2013年11月19日火曜日

手動式生薬分包機をリリースした話。

今日はこの写真↑の話です。ちょっと長い。

漢方の醍醐味は、何と言っても「煎じ薬」がバシッと効いた時だと思う。
煎じ薬って、提供する方も患者さんも確かに面倒なんですが、ピッタリはまるとすごい効果を発揮します。

ただ、忙しいとどうしても作っている時間もないので、ついついエキス剤や散剤がメインになってしまっています。患者さんも毎日煎じるのは面倒だろうなあとも思っていました。

しかし、患者さんはどうやら必ずしも面倒ではないことがわかりました。効くほうが良いんです。これは漢方やっている人たちは少し認識を変えなければいけません。煎じ薬が効くと体感した人は煎じ薬からエキス剤に変えようとはしません。

ということで、なんとか楽に作れる方法がないかと思っていました。自動分包機は車が買えるくらいの値段がするし、またびっくりするほどのサイズです。とても私のところのような狭い調剤室には設置できません。

ならば、作ってしまえ…という。

うちにちょっと手先が器用で、自宅のウッドデッキなんかDIYしてしまう社員がいます。頼んでみました。

えー… 僕としては「業務命令」的な頼みだったのですが、あまり本気にしてくれませんでした。なかなか取り掛かってくれないので、仕事として催促をしましたら、ホームセンターで材料を調達してそれっぽいものを作り始めました。試作とテストを重ね、なんとか使えるものが出来ました。安っぽいんですが、これは楽だ!すごい!やるじゃん!

これが出来てから、「煎じ薬がいいけどなー」と思っても躊躇なくおすすめして提供することができるようになりました。めでたし、めでたし…

「いやー、こんなの作ったんだけど、超便利でさー!」って仲間に話していたら、それ欲しい!とのこと。だったら製品化しちゃうか?!とまた例の社員を呼びつけ、仲間たちからの要望を伝えて、改良をはじめました。

使っている薬袋が違うので、皆の薬袋に対応するように。
製品化に向けては、さすがに素人の私たちでは無理なので、そういったものに対応できる業者さんを紹介してもらいまして、総合アートセンター翠彩堂さんにご協力をいただきました。

仲間からの要望の中に「トキワ薬草パック」に対応して欲しいってのがあったのですが、うちで使っている薬袋と違って素材が柔らかい。省スペースにする都合上、ある程度の硬さがある薬袋をタテにセットする構造だったのですが、柔らかくてトキワ薬草パックは立たない。
かなりの試行錯誤の末、サクッとひっかけてサクッと外す構造を開発。
これは小躍りしましたね。

トキワ薬草パック、すごく便利です。ヒートシーラーがいらない。分包完了したらサッと外してクルッとフタをすれば出来上がり。最高です。うちもこれにしました!


ということで、こんなのが出来ました。


おおおお、試作品に比べてなんかカッコいい!
嬉しいからこんな画像も作っちゃう!




MacBook Airみたい!
え?木じゃねえかって?
良いんです、アップルの初号機も木ですから!最初はこんなものです。

さて。
ホームセンターの材料から始まったので、製品名は手動式生薬分包機HC-003です。スタッフが作った試作品が初号機でHC-001。業者さんと作ったプロトタイプがHC-002。製品版がHC-003です。
ええ、製作チームはみんなガンダム世代です…

製品版が完成し、価格調整などでアタマを悩ませた末(ここらへんが不慣れで参りました)、やっと仲間に先行販売を行うことにしました。その時に製品紹介で作った動画(撮影編集はたったの1時間…)がこれです。


なんとか製品のイメージが伝わったようで、予定していた初回ロットは完売!ありがとうございまーす!

おかげさまで、今度は全国に向けて販売開始です。
こちらのサイトから販売を始めました。

先日は、これを知った漢方関係の企業様から「販売したい」とのご連絡をいただきました。

原則としてからさわ薬局のWebサイトからの直販のみですが、提携企業様の紹介でご購入されるお客様にはドーンと優待価格で購入できるクーポンコードを発行する予定です。
提携企業様が決まりましたら、販売サイトにも掲載しますので、お取引のある方は営業担当者様にご連絡くださいね。

最終的には、この分包機のユーザーさんの患者さんのためになればすっごく嬉しいです。

友達からは「これ、ハーブティーとか他の業種でも使えるんじゃないか?」と言われました。なるほど。
デモンストレーション用に1台持っていますので、ご希望があれば社員が持参してお見せいたします。

遠慮なくお問い合わせくださいね。


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