2013年8月28日水曜日

掌蹠膿疱症の漢方治療について

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)のご相談がそこそこきておりますし、かなり改善する率が高くなってきていると思います。
指先にまで及ぶと爪の変形なども引き起こし、手袋なしで外出ができないなど、精神的な苦痛も大きな病気です。そんな患者さんが手袋なしでご来局されるようになる姿を見ると、とても嬉しいものです。

掌蹠膿疱症について、悩んでいらっしゃる方はご自身で色々と調べていらっしゃるので、詳しい病態などについては他にゆずるとして、難しい病気ではありますが、現在までの経験から考えると漢方でも工夫をすればかなり改善が望める病気のひとつじゃないかと思います。

私も研究して色々と見つけていますが、基本的な方針については昭和50年代頃までに諸先輩方が書かれている方法論でほぼ間違いはないようです。本によっては三物黄芩湯しか書いてないなんてこともありますが、資料を探して詳しく調べると色んなパターンが書かれています。
私はこれら先人の経験を元に、足りないところを都度探し、より患者さんの個々の病態に合うように検討しています。
余談ですが、平成になって最近の人が書いたものはあんまり参考になりません。昭和40年代〜50年代の方がはるかに本気で漢方をやっています。見習いたいものです。

圧倒的に多いなと思うのは、血熱で燥性のもの。ついで、瘀血で燥性のもの。瘀血は文献上は少陽病瘀血が書かれていますが、臨床経験上は太陰病瘀血が多いと思われます。
やや特殊かなと思ったのは(改善が始まるまでかなり苦労しましたが)、湿性でアレルギー・自己免疫との関連が強いもの。漢方的な病位は少陽病から太陰病に集中しています。

お陰様で今のところかなり成績は良いですが、きっとまた難しい例に出会うのでしょう。
この病気との出会いは、漢方を始めた頃にたまたまご相談されてビギナーズラックで良く効いたのが始まりでした。

こんなにも深く掌蹠膿疱症と付き合うようになるとはその頃は思いもしませんでしたが、今やライフワークのひとつかもしれないと思っています。手荒れ・手湿疹(主婦湿疹)や異汗性湿疹に強くなったのもこの延長にあると思います。

食養生がとても大事なので、ちょっと厳しいご指導をいたしますが、あきらめずにあせらずに取り組めば希望があると思います。



からさわ薬局での漢方相談は完全予約制です


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